上半身は前回で終わり、遂に下半身に移ります。
なぜか「ゴルフは下半身だ」と思っている方が多いですが、ゴルフクラブを持つのは上半身ですので「ゴルフのメインは上半身」です。
下半身は余計に動かさないだけで、上半身だけのスイングでもかなりの再現性や飛距離は出せます。
しかし、下半身を蔑ろにして良い訳ではありませんし、また、更に再現性を高く・飛距離を出したい、場合には下半身含めた全身を使う必要があります。
1.骨盤
下半身のほとんどが「骨盤」「股関節」の話です。
しかし「骨盤」「股関節」では対象が広すぎる・曖昧なので、より具体的にする必要があります。
まず「骨盤」「股関節」の構造を知り、どう動くのか?を知る、そして実践する。
これが近道です。
(1)構造
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最初に、皆さんの骨盤に関する勘違いを正していこうと思います。
勘違い① 骨盤は1つの塊
勘違い② 腰の位置
勘違い① 骨盤が1つの塊
「骨盤」は総称であり1つですが、それを構成する中身があります。
どういう骨・関節がどのように動いているか?ということです。
アマチュアゴルファーはほぼ全員、骨盤の中身も「1つ」です。
どっしりと1つの塊がついていて、そこが腰であり、それを横回転する。
これがボディターンだと思っています。
全て違います。
左右の寛骨、真ん中の仙骨(せんこつ。背骨の下端)。
この3つ、そして前回の「大腿骨」(左右)を含めると5つです。
そして、「股関節」というのは「寛骨」と「大腿骨」を繋ぐ関節です。
以前よりお伝えしているとおり、関節は動かされるものであり、動かすものではありません。
つまり、股関節を動かすのではなく、「寛骨」もしくは「大腿骨」を動かすということです。
●骨盤を動かす
●股関節を動かす
と言っている時点で具体的ではない、構造ではないということがお分かりいただけましたか?
実際に「寛骨」「大腿骨」をどう動かすか?については、【実践編】にてお伝えします。
先に本記事を全て読んでからお進みください。
2.半身リバース
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(1)全体のバランス
背骨は全体的にかなり背中側にあり、胸椎については肋骨が胸側に伸びているため自然と後カーブになっています。
頸椎と腰椎はその逆に若干前カーブです。
この関係性のままアドレスします。
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(2)胸椎(肋骨)
姿勢を良く立とうと意識すると、胸を張って胸椎が前カーブになる方がいます。
極端にやるとボディビルダーのような姿勢です。
筋肉を大きく見せるためのポーズですので、ゴルフには関係ありません。
自然に立つと、胸椎は若干後カーブです。
ただし、腰椎まで後カーブさせると全体が丸まってしまうので要注意です。
アドレス:若干後カーブ
TBS:前カーブ
ダウン:後カーブ
この流れです。
頚椎・腰椎はその逆です。
(3)腰椎(骨盤)
元々の姿勢が、骨盤が後傾・腰椎が後ろカーブになる方もいます。
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この状態でアドレスしてしまうと、半身が使いにくく縦回転もできません。
どうしても横回転が強くなってしまい、人体の構造通りに動かすことが難しくなってしまうため、ボールに合わせるための余計な動作が必要になってしまいます。
以前の操作で、腰椎を動かせるようになること、胸椎・腰椎で2連カーブを作れるようになることが、骨盤後傾でなくなる近道です。
(4)頸椎(頭蓋骨)
胸椎、腰椎は意識している方はいると思いますが、頸椎も同じくらい重要です。
「頭のバランスが取れた位置」は分かりますか?
頭はボーリングの球と似ていて、重さは約5kg、大きさも近いです。
重力は地面に対して真下にかかっているため、ボーリングの球が前に傾いてしまうと、真下に落ちようとします。
それに抵抗して首や肩回りの余計な力が入り、結果的に肩こり等の不調が起こってしまいます。
「頭のバランスが取れた位置」は、ゴルフに限らず日常生活を楽に過ごすための重要な知識となります。
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『頭蓋骨縦・横すり操法』をやっている方は自然と整ってきている可能性があります。
もちろん狙いの1つでもあります。
それ以外でバランスが取れた位置を知る・できるようになるための操法は実践編でお伝えします。
ここからは毛色の違った話になってきますが、骨や関節を動かすのは「筋肉」です。
筋肉を動かせないと、体は動かせませんので非常に重要な話です。
3.筋肉の性質
下半身はアドレス時点の準備が非常に重要です。
ここが決まっていなかったら、上半身の邪魔をしてしまいます。
筋肉の性質でいうと、
●固くなるか柔らかくなるか
この2つしかありません。
更に、分かりやすく言うとこの4つしかありません。
①力を入れない(柔らかい、意図)
②力を入れる(固くなる、意図)
③勝手に力が入る(固い、無意識)
④力を入れられない(柔らかい)
(1)上半身で実験
実験です。
肘を直角にして、上腕を地面と水平にします。
力こぶ(上腕二頭筋)に注目してください。
①力を入れない
出来ますね、柔らかいです、
②力を入れる
出来ますね、固くなりますね。
この状態からでも
①力を入れない
出来ますね、柔らかくなります。
次に、上腕を地面と垂直にしましょう。
力こぶを触ってみましょう。
少し固いですね。
①と②の中間といったところでしょうか。
これが「③勝手に力が入る」という状態です。
意図的ではなく勝手に力が入っていて固くなっているということです。
次に、腕をだら~んと下ろしてみましょう。
上腕前腕が地面と垂直です。
力こぶを触ってみましょう。
柔らかいですね。
そして、力を入れてみましょう。
ほとんど力が入りませんね、固くなりません。
④力を入れられない
入れようと思っても入らない、固く出来ない状態です。
固く出来ないということは筋力を発揮出来ないということです。
(2)下半身で実験
下半身で体験してみましょう。
棒立ちの状態で、太もも(表)を触ってください。
肉を揺らすとぷるぷる震えますね。
※これで震えない人は余計な力が入ってしまっています。
日常生活でも常時余計な力が入っているので、足の疲労がすぐに蓄積してしまいます。
腕の最初の実験同様、通常は「①力を入れない(柔らかい)」、「②力を入れる(固い)」ことが出来ます。
(3)ゴルフのアドレス
ゴルフのアドレスを取ってみましょう。
きちんと前傾を取ります。
①力を入れない(柔らかい)
②力を入れる(固くなる)
③勝手に力が入る(固い)
④力を入れられない(柔らかい)
どれになりましたか?
ほぼ100%の方が、太ももが固く「③勝手に力が入る」状態だと思います。
その状態のまま、①力を入れない、柔らかい状態に出来ますか?
出来ませんよね。
4.「脱力」の呪い
よく「脱力しろ」と聞きませんか?
脱力という便利ワードで説明責任を放り投げているので、個人的には好きではないワードです。
では、なぜ「脱力」が重要と言われるのでしょうか?
答えは1つです。
「筋力を発揮する(固くなる)ためには、柔らかい必要があるから」です。
つまり、「①力を入れない(柔らかい)」の状態から出ないと筋力を発揮(固くする)状態にすることができません。
(1)ジャンプで実験
実験です。
ジャンプしてみましょう。
固い状態から柔らかい状態を経由しないで飛ぶ(筋力を発揮する)ことはできません。
一瞬ですが必ず力が入っていない、柔らかい状態を経由しています。
(2)ゴルフのアドレス
話は「ゴルフのアドレス」に戻ります。
先ほど確認した、アドレスを取ったときの太ももはどうでしたか?
「③勝手に力が入る(固い)」でしたね。
ということは、下半身の力を使えないということになります。
アドレスで止まっている状態でさえ固いのに、バックスイングで更に力を込めていってしまいます。
いざダウンスイング!と言いたいところですが、「使う直前に力を抜く→力を入れる」では2テンポかかります。
一瞬の勝負ですので、「力を抜いた状態から入れる」、この1テンポでないと間に合いません。
筋肉の状態を問わず、蹴るだとか地面反力だとか言っているのはおかしく思いませんか?
「脱力」だとか「地面反力」だとか言う前にすべきことはありますし、無意識にできているプロとそうでないアマチュアはやはり全くレベルが違うのです。
●「脱力しろ」「力を抜け」?
「脱力」という言葉自体あまり使わない方が良いとさえ思っています。
力を「抜」くのであれば「抜力」とでも言えばしっくりくると思います。
しかし、「脱力」です。
なぜなのでしょう?
脱力=最小限の力のみ使う、という定義づけがされている印象があります。
それこそ「抜力」で良いと思います。
「脱力」は脱皮や脱出の「脱」です。
自分の内側から外側へ出た状態です。
例えばボールを投げるときは、力を体の内から外へ解放して、投げた後には体に力は入っていません。
まさに「脱力」です。
ゴルフスイングも同じです。
捻転や腕を伸ばすといった、力を体の内から外へ解放して、打った後は体に力は入っていません。
上半身の「抜力」は、肩甲骨ハンガーで体感して頂けたと思います。
バックスイングやトップで腕の力は使う必要はありません。
ダウンスイングでようやく力が入って、フォローにかけて「脱力」していきます。
では、下半身の脱力(①力を入れない(柔らかい)状態にするに)はどうしたらいいのでしょうか?
その方法は【実践編】にてお伝えします。