知識編06│ダウン

TBSを経て、遂にゴルフスイングの核心であるダウンスイングに入っていきます。
今までのことは、ここまでの準備です。
いかに良い準備をしてこのダウンスイング、そしてインパクトを迎えるかがゴルフスイングです。

★全体像

『半身リバース』
+
『中手骨頭シーソー』
+
『雑巾腕』
+
『左前傾ロック』(肩甲骨) ←New

1.『半身リバース』

(1)肋骨(胸椎)は一気に左カーブ

TBSでずっと右カーブをキープしてきましたが、ここで一気に左カーブに反転します。
左右の半身をする、まさにここが半身リバースの真髄です。

肋骨が左カーブするということは、頭蓋骨と骨盤は右カーブします。
3連カーブが一気に逆転するということです。

※画像

肋骨:左カーブ
↓
頭蓋骨:右カーブ
骨盤 :右カーブ

肋骨:後カーブ
↓
頭蓋骨:前カーブ
骨盤 :前カーブ

まずは左右を動かせるようになり、次に前後を動かせるようになる。
最後にその組み合わせです。

一気に全力でカーブをリバース(反転)させます。
体幹、その中心である背骨からの動きであり、最も多くの関節や筋肉を稼働させられるため、より多くのエネルギーを発揮できます。
これぞ『半身リバース』の動きです。

BSで左カーブ(のような動き)になっている方が多いです。
ダウンスイング時に左カーブに動せる余地がなく、背骨を動かせません。
TBSで右&前カーブだからこそ、ダウンスイングで左&後カーブにできまるのです。

●インパクト時に頭が残るって何?

「頸椎が動いている」から、頭が残ります。

「左右のカーブ」に関する記事でもお伝えしましたが、胸椎が左右のカーブをしても「頭蓋骨」は真っすぐのままです。
胸椎と頚椎が同じように動くと、頭は斜めになります。
頚椎は逆カーブを描くことで、頭は真っすぐのままになります。

※動画

プロがインパクト時に頭が残る、地面や飛球線後方を見る角度になっている大きな理由がこれです。

※画像

仮に胸椎と同じように左カーブさせてみましょう。

※画像

ザ・アマチュアという格好ですね。
背骨を軸に横回転~なんてやってる日には、いわゆるヘッドアップもしています。
ヘッドアップ自体が上達を妨げる訳ではありませんが(【プロアマ共通点:ヘッドアップ】参照)、体を構造通りに使えば自然と上記プロの写真のように頭が残ります。

(2)切り返し動作

切り返しは難しい、ゴルフの9割だとか聞きますが、TBSやダウンスイングに比べたら簡単です。

切り返しは『半身リバース』です。
肋骨の左カーブも重要ですが、特に重要なのが切り返し=「前後」のカーブです。

『肩甲骨ハンガー』状態で、肋骨を前→後カーブをすると………
前傾が深くなり、手元が下りて、オンプレーンに乗ってきて、そのまま腕の動きを始めればOKです。
特別に切り返し用の動作をする必要はありません。

「自然落下で腕だけが垂直に落ちる」というのを聞いたことがありますが、腕だけ自然落下させる意味ややり方が分かりませんでした。
しかし、背骨を動かすことで結果的に腕が下りているように見えるこの切り返しができたらその呪いはなくなりました。

●捻転差、下半身リード
「捻転差」という言葉を聞いたことがあると思います。
一般的に上半身と下半身の差を捻転差と捉え、その差が大きいほど良い(飛ぶ)とされています。
しかし、上半身と下半身だけの差ではないです。
背骨の動きの差(特に胸椎)も、本来は注目すべき捻転差です。

※画像

頸椎・胸椎・腰椎の各カーブの差、そしてリバースしたときの差こそが、捻転差だと考えてください。
「背骨を軸に回る」などと思っていると、この発見はできません。

次に、かなり屈強な呪いの言葉「下半身リード」についてです。
見た目では下半身が先に動いているように見えますが、実際は上半身も下半身も同時です。
正確に言うと、背骨の3連カーブを同時に動かします。
上半身は腕を伸ばしたりゴルフクラブを持っているため、下半身と同時に動かしてもズレが発生します。

このズレて見えるせいで、下半身リード・下半身から動かす、捻転差を作るなどという【呪いの言葉】が生まれてしまったのだと思います。

2.『中手骨頭シーソー』

このシーソーは完了しているので、出番はありません。
「右中手骨頭が右」のまま(背屈状態)、インパクトまで迎えましょう。

3.腕は『雑巾腕』

両腕ともに『雑巾腕』にするのですが、左右の腕ともに重要事項があるので説明します。

(1)右腕

右腕は、トップでも『雑巾腕』状態です。
ダウンスイング中もずっと、上腕外旋・前腕内旋です。
【インパクト~フォロー(前)】でもお伝えしましたが、特に前腕内旋を入れて強く雑巾を絞りましょう。

①上腕
BSで右上腕はMAX外旋しています。
そのままダウンスイングもMAX外旋のままです。

大事なことなので2回言います。

右上腕はMAX外旋のままです。

『雑巾腕』なので各上腕・前腕ともにMAXなのですが、一番難易度が高いのがこの「右上腕外旋」なので、MAXと何度も強調しています。

ダウンスイングで位置関係が変わってくると、更に外旋・内旋する余白が生まれます。
トップ時の外旋を維持するのではなく、常に外旋させるということです。

●なぜチーピン・引っかけるのか?
打ち出しから左にでる、左に出てフック、真っすぐ出てフックという類の弾道です。
一言で言うと、「右上腕が内旋するから」です。

正確なことを言うと、内旋する動きはフォローで自然と入りますが、インパクトまではMAX外旋のままです。
『』(バドラケットのやつ)でお伝えしたとおり、右上腕内旋=フェースがクローズでインパクトになりやすく、その結果チーピン・引っかけになります。

②前腕
上腕も大事ですが前腕も大事です。
こちらも、内旋させる余地が増えてくるのでずっと内旋を入れ続けます。

『』(バドラケットのやつ)でお伝えしたとおり、この前腕回内ができていれば、クラブヘッドが落ちることはありません。
上腕内旋で落とさないのではありません。
つまり、ほぼダフリはこれで解消できるということです。

※画像


③右肘を伸ばす

ダウンスイングの最大の特徴として、「右肘を伸ばす」が挙げられます。

そもそも右肘を伸ばさない・曲げたままだと思っている方も多いと思いますが、ゴルフスイングをブッ壊す呪いの言葉です。
【呪いの言葉】【プロアマ共通点】【ゴルフの本質】等で散々触れてきたので分かると思いますが、右肘を伸ばします。

これも重要なので何度でも言います。

右肘を伸ばします。

●インパクトで右肘が曲がったまま?(【呪いの言葉】【プロアマ共通点】)
右肘が伸びて右手が左手を追い越し、両腕がほぼ完全に伸びてエネルギーを発揮しきった状態になります。
この状態が「一直線のフォロー」です。
インパクトはその直前ですので、右肘は曲がった状態というだけです。
一番効率が良い状態というだけであり、曲げた状態を作ったり維持してインパクトしているわけではありません。

●右肘伸ばしてタメの話
右腕を伸ばせ?じゃあどうやって「タメ」が作られるの?
そう思った方もいるでしょう。
完全に見た目に騙されています。
まず、タメは作るものじゃなく、作られるものです。
そして、「右腕を伸ばすからタメが出来る」のです。

理屈よりも動画を見た方が早いと思いますので、ご覧ください。

※動画

タメが出来ている形を作りに行くと逆にタメが出来ません。
右腕を伸ばすことでタメが出来ているように見えるというだけです。
そして、右腕をボール方向に伸ばしてしまってもプロのようなタメにならないということがお分かり頂けたでしょうか?

クラブヘッドに力(慣性力や遠心力)が加わるため、いくら早く右腕を伸ばそうとしてもその力に負けてすぐには伸びません。
タメの正体は、その下に行きたがる手元と上や飛球線後方に行きたがるクラブヘッドの差・ギャップを示しています。

では、アーリーリリースとの違いは何でしょうか?
明確な差は「右手首が背屈状態かどうか」です。
左のコックを解く動きで、右手首の背屈も解かれてしまいます。

「(ヘッドを)縦に振れ」という教えを忠実に守っている場合、どうしても縦=左のコックを使ってしまいます。
その結果、右手首の背屈も解けてアーリーリリースになっています。
ここでも「(ヘッドを)縦」が【呪いの言葉】になっているのが分かって頂けたかと思います。

(2)左腕

左腕は、トップでは「上腕が軽く内旋・前腕はほぼ真っすぐ」です。
ここから「左上腕外旋・前腕内旋」です。

①上腕
左腕で重要な動作がこれです。
「上腕外旋」です。
この外旋が、アマチュアにとって一番の壁と言ってもいいほどできていない動きです。
こちらも大事なことなので2回言います。

左上腕は外旋です。

※画像

②前腕
内旋です。
『』(バドラケットのやつ)でもお伝えしましたが、前腕も外旋してしまうとインパクト位置に戻ってこれません。
また、左上腕が内旋してしまうと前腕が外旋するしかなくなり、「チキンウイング」となります。

※画像


●左腕リード、ハンドファースト
ここで1つ注意したいのが、ダウンスイングで左腕を左足前まで持っていくようにしてしまう動きです。

※画像

ダウンスイングは決してこのように手元を動かすものではありません。
腕を回すと分かりますが、手元の軌道は弧を描きます。
つまり、一旦飛球線後方へ、ボールから遠ざかるように動く必要があります。
物理の実験でも、直線ではなく曲線を描いた方が速い(サイクロイド曲線)というものもあります。

4.肩甲骨

肩甲骨の話は『肩甲骨ハンガー』などでしましたが、腕が動くということは肩甲骨も動きます。
鎖骨も合わせて各操法で動かしていますか?

さて、ここでは構造学の真髄とも言える『左前傾ロック』がありますので、必ず習得しましょう。

(1)左肩甲骨

『半身リバース』によって、肋骨は後カーブです。
具体的に言うと、『半身リバース』の動きにより左半身、特に肋骨が「後傾」となります。
シーソーですので、肩甲骨はその逆の「前傾」です。

「左肩甲骨の前傾」

ということです。
肩甲骨の動きとして「前傾・後傾」はあまり馴染みがないかもしれませんが、だからこそ普通の知識では分からないですね。

『半身リバース』の「前→後カーブ」によって切り返しつつ、『左前傾ロック』でダウンスイングの腕の準備を完了させます。

ここで本題の『左前傾ロック』です。
『肩甲骨ハンガー』+「背骨の前→後カーブ(左半身後傾をどこかで言わないと)」→「左肩甲骨の前傾」によって、左肩甲骨の可動域にロックがかかります。

そもそも左腕自体は、左へ動かすものではありません(【ゴルフ動作構造学:?「腕は体の正面」】参照)。
右腕が伸びるにあたって左腕が移動しているだけですが、その移動する限界位置が決まります。
つまり、いくら右腕を伸ばしてハンドファーストを強烈にやろうとも、左腕は体から外れずに止まってくれるということです。

腕が止まるということは、
●MAXハンドファーストにしても止まる(体からはみ出ない)
●ゴルフクラブへ加速が移行
●右手が左手を追い越す
●手元をクラブヘッドが追い越す
これらが自動発生します。

つまり、左肩甲骨・腕にロックがかかって、右腕やクラブヘッドが走る、それも勝手にということです。
腕に力を入れてブレーキをかける訳ではありません。
もっと根っこの部分から動作をさせていくことで、より安定してより大きなエネルギーを発揮することができます。

更に、その動かなくなった左腕の位置=インパクト位置、ということです。
インパクト位置が勝手に決まってしまうということです。

※動画

しかし、「胸を左に向ける」などとしてしまうと、このロックは絶対にできません。
「正面を向いて左に押す」ができない人は、絶対にこの『左前傾ロック』もインパクト位置が勝手に決まるのも体験することはできません。
そして、毎回必ずインパクト位置がズレるので、非常に難しく安定するものではありません。

しかし、ロックがかけられれば、左腕をどれだけ左へ動かそうとしても100で止まります。
MAXハンドファーストしてOKということです(詳細は【インパクト~フォロー(後)】で説明します)。

(2)右肩甲骨

左肩甲骨の前傾と逆に、「右肩甲骨は後傾」です。

※画像

左右で対の前傾・後傾をさせるということです。

●左肩甲骨の前傾(肋骨の後傾)
●右肩甲骨の後傾(肋骨の前傾)

例えば腕を回すにしても、左右を同方向でも反対方向でも同時に動かすということは、実は動かしやすいので前傾・後傾さえ掴めればできるようになると思います。

右肩甲骨の後傾も含めて、『左前傾ロック』と名付けました。
前傾は左肩甲骨、体は前傾キープ、左腕はロックがかかりインパクト位置が決まる、MAXハンドファーストにしてOK、右手&クラブヘッドが追い越す………
まさに人体構造の真髄です。

詳しくは【実践編】でお伝えします。

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